金曜更新のweb連載2点

毎週金曜に更新されると必ず読んでいるweb連載の小説が2つある。
1つは以前も書いた新宿鮫の10作目、絆回廊。ほぼ日の中でのコーナーで今日で20回。前作からは作品の中ではあまり時間がたっていないようで、撃たれた藪が退院してからそれほど経っていない様子。前回の更新で驚いたのが、その前作で辞任してシリーズから姿を消したかに思えた香田が早くも再登場してきていること。しかも内閣調査室の下請け的組織に入っている。内調といえば同じ作者のアルバイト探偵(アイ)シリーズでおなじみだが、鮫に出てくるとは意外。

そしてもうひとつが森見登美彦の「熱帯」。こちらはアマゾンのサイトの中のマトグロッソの中での連載。こちらは今日で7回目。こちらは実際には木曜更新らしいがいつもなぜか金曜に読んでいる。
作者(とおぼしき人物)が、昔読んだという「熱帯」という本について書いている。佐山尚一という作者による「熱帯」という本で、連載の横にも作中で描写されている幾何学模様のカバーがリンクされている。刊行は1970年代、とだけ注釈が入れられていて、今では取り扱いなしとなっていた。だからそういう本があるのだろうくらいに思っていたが、今回の更新でその内容に触れられていて俄然興味が湧く。その内容の説明を見るとまるで森見作品そのもののような小説らしい。森見作品のルーツといってよさそう。
ということで再度右側にあるリンクをたどってみると、今度は「登録したお客様には、この商品のご注文受付開始時にEメールでお知らせします」と出る。
そうか、この連載のおかげで復刊しそうなのかな、とも思ったが、ここで作者名でぐぐってみる。
・・・ヒットしない。出てくるのはこの森見氏の連載に関するブログくらい。
もしかして、これは実在しない本なのだろうか。森見氏の作品内だけなら大いにありうる虚構ではあるが、アマゾンもぐるにって読者をかついでいるのか?
それにしても作中作として別名義で出すならそれはそれで読んでみたいが。そういうことなら作者名はアナグラムとかにしそうなもの。